2013年12月18日 (水)

松田優作「家族ゲーム」

ハードボイルドなアクションから離れた松田優作が好きだ。なかでも、「家族ゲーム」は最高だったと思う。

家族ゲーム [DVD] (森田芳光監督)

落ちこぼれ学生(宮川一朗太)を救うため、一人の家庭教師(松田優作)がやって来た。家庭教師が沼田家と不思議な交流を続けながら、任務を果たしていく過程がシュールで笑える。

以下、いくつか(笑える)名シーンを挙げたい。

父親(伊丹十三)は食事中に半熟の目玉焼きの黄身をすするのが好きなのだが、ある日、妻(由紀さおり)が焼きすぎて黄身が固まった目玉焼きを出してしまい、「すすれないじゃないか!」と文句を言うシーンは微笑ましい。

教えている生徒が与えた課題をやらずに、ノートいっぱいに「夕焼け」という文字を書いていたことに対して、二人でじっと考え込んだ後、おもむろに家庭教師が生徒の頬をビンタするのであるが、その「間」が絶妙で笑える。

最後に沼田一家と並んで食事をしていた家庭教師が、黙々と食卓を破壊し始めるシーン。途中で異変に気付いた父親が怒鳴った「あんた、さっきから何やってるんだ?」もいいのだが、その次に母親の首筋におみまいするチョップがリアルで面白いのだ。打撃した瞬間に手を少し引くところなど芸が細かい。

ちなみに、最後のシーンで、ビンタされた生徒が少し成長している点にも注目だ。

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2013年9月25日 (水)

青春デンデケデケデケ

自分の青春時代を考えたとき、必ず思い出すのは、初めて女子をデートに誘った映画「青春デンデケデケデケ」である。特に、仲間とバンドを組んだり、劇団やユニットを結成した経験のある人には号泣ものだ。

この映画は、直木賞を受賞した芦原すなおの原作を大林宣彦が監督。さらに、脇役陣も豪華で、個性豊かな俳優がそろっていた。個人的に好きだったのは、ベンガル、佐野史郎、岸部一徳、そして、若き日の浅野忠信もいい。

青春デンデケデケデケ デラックス版 [DVD]

ある日、ラジオから流れてきたベンチャーズの「パイプライン」を聞いて覚醒した少年が、高校の同級生を集めてバンドを結成する。けれども、楽器のそろっていない彼らは、夏休みをアルバイトで埋めて楽器を購入するところから始めるのだ。

ドラムスの代わりにバケツや桶を叩いて練習してきた練り物屋の息子が、ついに届いた本物のドラムセットを目の前にして、「こんな立派なものを叩いてもいいんだろうか?(実際は香川弁)」と涙を流すシーンなんかは、とても笑えるのだが、同時に目頭が熱くなるのである。

みんな、短くも輝いていた青春時代・・・。

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2013年9月 8日 (日)

ナイト・シャマラン「シックス・センス」

どんでん返しのストーリーを得意とする監督ナイト・シャマランの代表作といえば、「シックス・センス(The Sixth Sense)」である。彼の人種的なバックグラウンドであるインドという場所の影響か、アメリカで作られたホラー作品であるにもかかわらず、日本の心霊にも通じる怖さがあった。

ホラーのジャンルに入るのかもしれないけれど、ブルース・ウィルス演じる児童心理学者とハーレイ・ジョエル・オスメント演じる少年が交流を重ねながら、共に成長していく話が軸になっているドラマである。

ちなみに、僕は、この映画をトロント在住時代に見たのであるが、あまりにも感動してしまって、同じ映画館に4回も観に行った思い出がある。(そして、夜トイレに行くのが怖いという経験を久々に体験したのだ!)

この映画の中で最高の場面は、人身事故で渋滞している車の中で、少年が母親に自分の能力を打ち明けるシーンだろう。

突然、息子から「幽霊が見える」と言われた母親は、キョトンとする。少年の「自分を変り者と思うか?」という問いに怒って否定する彼女だったが、だんだん、心配になってくる。自分が育て方を間違えたんだろうかと・・・。しかし、彼女が子供時代から気にしていた(自分と母親以外には知らない)エピソードを話されたとき愕然とする。それから、ずっと亡くなった母親に問い続けていた答えを知ったとき涙が止まらなくなるのだ。

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2013年8月30日 (金)

ジャッキー・チェン「スネーキーモンキー・蛇拳」

今なお、第一線で活躍を続ける僕らのジャッキー・チェン。その初期拳法シリーズの中で、「スネーキーモンキー・蛇拳」は最高傑作だと思うのだ。ちなみに、英語版タイトルでは「Snake In The Eagle's Shadow」となっていて、対立する二つの拳法流派である蛇形派と鷹爪派を暗示している。

ストーリーの流れが次々に展開して、コミカルなシーンとシリアスなシーンが交互に交わっていく。

なんといっても、登場人物たちが魅力的で、酔拳などでおなじみの赤鼻の師匠、ひょろひょろのハッタリ師範代、金持ちのバカ息子など、この辺が出てくるとコミカル路線が強調される。また、悪役たちもいい味を出していて、タオパイパイのモデルとも言われる最強のボス、その部下である色男のナイフ使いや西洋人偽神父の刀使いなど多彩だ。

また、この映画の中で流れる音楽も印象的で、近未来的で幻想的なのに、どこかコミカルな「オキシジャン」は異次元にトリップしてしまいそうになる。

→ ジャン・ミッシェル・ジャール「オキシジャン」紹介記事

最も好きなシーンは、ちょっとした町道場の抗争中に、師匠から人前で使うことを禁止されていた蛇拳をジャッキーが使ってしまい、殺し屋にその存在を知られてしまうところである。おそらく、ジャッキーは、劣勢だった道場の師範を助けたい気持ちより、強さを見せつけたい自己顕示欲に負けてしまったと思うのだ。

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2013年8月15日 (木)

アルゴ探検隊の大冒険

「アルゴ探検隊の大冒険(1963年米・英)」は、ギリシア神話に基づいたファンタジー映画である。原題は「Jason and the Argonauts」で、ジェイソン率いるアルゴ船の乗組員たちの冒険が描かれている。そして、この映画の目玉は、20世紀特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンが生み出したモンスターたちである。

大巨神ネプチューンが暴れる大海原、7つの首を持つ大蛇ヒュドラとの死闘、青銅の巨像タロスが動き出して船員を追いかけるシーンなど、すべてが圧倒的な迫力を持っているのであるが、中でも、剣と盾で武装した骸骨戦士たちとの戦闘は特撮の歴史に名を残す名シーンとなっている。

現代の特撮では、CGによるなめらかな映像の加工が主流になっているけれど、ハリーハウゼンらの得意としたストップモーション・アニメーション技法には妙な迫力があった。ちょっと不自然なカクカクした動きは、なぜか、とてもグロテスクで恐怖を感じてしまうのである。(スイスのクレイアニメ「ピングー」なんかでも使われている)

ついでに、ハリーハウゼンが子供時代に多大なる影響を受けた映画「キングコング」は、ストップモーション・アニメーション映画の金字塔として名高い。この作品の特撮担当は、ウィリス・H・オブライエン。

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2013年4月 2日 (火)

【輸入盤】ダーティー・ジョブス(Dirty Jobs)

ディスカバリーチャンネルの番組「ダーティー・ジョブス(Dirty Jobs)」では、いわゆる「臭い、汚い、危険」と言われる仕事を中心に、農業や漁業から清掃、解体、ゴミ収集、リサイクルまで社会の底辺を支えている職業を紹介する。

毎回、ホストのマイク・ロウ(Mike Rowe)が「汚い」仕事を自分で体験しながらレポートする。そして、仕事を教わるときの彼と仕事人との軽妙なやりとりも面白い。

タフな彼は、汚水にまみれ、動物の糞尿にまみれ、すすやほこりで顔を真っ黒にして、軽快なトークを続ける。サメ釣りの船上では、撒き餌の強烈な臭いと船の揺れによって盛大に嘔吐しながらも、いつものようにジョークは忘れないのである。

そして、視聴者は気づかされる。心にゆとりがあれば、どんなにつらい労働でもこなせるのだと・・・。

ちなみに、今回紹介しているDVDは輸入盤になります。日本では、「突撃!大人の職業体験」として販売されているようです。

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2013年3月22日 (金)

ミスター・ビーン

「Mr.Bean(ミスター・ビーン)」は、90年代にイギリスで放送されたコメディ番組である。

トロント在住時代に僕は、ビーンを演じる俳優ローワン・アトキンソンを見かけたことがある。たしか、イベントでイートンセンターに来たのだ。ちなみに、ビーンの愛車MINIの運転を見て明らかなように、彼の運転技術はプロレーサー並みとのこと。

その内容は、サイレントか?と思えるくらいに主人公のセリフは少ないが、顔の表情や挙動不審な動作で笑いを創り出す。精神年齢が9歳という設定なので、無邪気だが残酷な行動に出ることが多く、ときどき、番組では放送自粛のエピソードがあったことでも有名である。

自分がとても好きだったエピソードは、教会編だった。

牧師の説教中に睡魔に襲われるというベタなコントなのだが、ビーンの存在感や小道具のアメ玉を使った伏線の巧みさなど、最後まで飽きずに笑える。

それにしても、アトキンソン氏がビーンの役を封印するという発表は、世界中のファンを悲しませた。

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2013年2月11日 (月)

U字工事・栃木漫才

「なまり」のある芸人には、味がある。

昔から好きだったのが、マジシャンのマギー司郎さんだ。「縦ジマのハンカチを横ジマにする」などマジックとは思えない?手品の数々と飄々とした語り口調、そして「近所の飲み屋では、評判だったんだけど」でおなじみだ。

そのマギー司郎さんの出身地・茨城県を目の敵にする芸風でおなじみは、栃木県出身の漫才コンビ・U字工事である。栃木なまりとほのぼのとした感じがクセになった。

彼らの面白いネタは多いが、「海無し連合」や「栃木漫才」シリーズは傑作だ。中でも、「栃木はFA宣言して、関東地方から東北地方に参入する」からのくだりは、息ができないくらい笑える。

U字工事のDVD

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2013年1月 6日 (日)

ブルース・リー「ドラゴンへの道」

「この作品のコミカルなブルース・リーが、一番普段の彼に近い」とリンダ夫人が言ったと言われる「ドラゴンへの道」は、全編にユーモラスな雰囲気があって、次々に人が死んでいくわりに殺伐としていない。

タン・ロン役のブルース・リーがイタリア・ローマにやってきたのは、地上げ屋のギャング達から嫌がらせを受けている中華レストランを救うためだった。

コロッセオでのブルース・リーとチャック・ノリスの死闘や日本語に聞こえない「お前はタン・ロンか?」などで有名な作品だが、個人的にグッとくるのは、ラストシーンで生き残った味方が言ったセリフだ。

新たな依頼を受けて、次の場所に向かうブルース・リーの背中を見送りながら、こうつぶやくのである。

「銃やナイフとの戦いばかりだ。それでも彼は、たったひとりで進む。」

"In this world of guns and knives, wherever Tang Lung may go to, he will always travel on his own."

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2012年2月29日 (水)

ベア・グリルス「MAN vs WILD」

ベア・グリルスは、イギリス出身の冒険家である。
エベレスト登頂の英国最年少記録など輝かしい実績を持っている。

有名になったディスカバリーチャンネルの人気シリーズ「MAN vs WILD」では、どんな過酷な環境からでも生還するためのテクニックを紹介してきた。生存するためには、食べられるものは何でも食べる。象のフンを絞って水分を絞り出す映像は、世界中に衝撃を与えたが、同時に目頭が熱くなった人は多かったはずだ。

彼は、文字通り、何でも食用にする。寄生虫や細菌などのリスクよりも助かるために肉体を動かすエネルギー源を優先させるためだ。カメラ・クルーなど彼に同行するプログラム・スタッフは、「ベアは、食用にできない、たとえばスカンクの肉でも、一応は食べる。」と言っている。

個人的に好きなグリルスの言葉は、北極圏でのサバイバルスキルで、パラシュートを帆に利用して、凍った湖を滑って横断しているときに言った
「自然と戦おうとするのではなく、かしこく利用するのさ。」
である。

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