2020年4月19日 (日)

吉川三国志の諸葛亮孔明

吉川英治「三国志」に登場する諸葛亮孔明はおもしろい。

原作は三国志演義をベースにしているため、赤壁で南東の風を吹かせたり、その後の曹操の退却行動をすべてお見通しだったりと、諸葛亮の活躍が神がかり的に描かれているんだけれど、ときどき見せる人間臭いところがいいのである。

一番笑えたのが、病の劉表から荊州を奪えと進言するのだが、なかなか劉備が決断できず、そんな劉備に諸葛亮が舌打ちするところだ!けっこう粗忽で乱暴な一面が、なんとも味がある。

それから、彼は戦場で、例の四輪車に乗って移動するのであるが、それを見つけた敵から「若造のくせに、そんな立派な車に乗りやがって」と追われるところも好きだ。おそらく、当時の四輪車は、年老いた大人物や偉い学者なんかが乗るものだったのだろう。

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2019年2月11日 (月)

光栄三國志BGM「荊州のテーマ」

光栄「三國志」シリーズには、地域別に流れるBGMがあって、その土地の個性が表現されていた。僕が好きだったのは、荊州で流れる音楽。

穏やかなのだけど、ちょっぴり寂しさがあっていい。なにか、日本の昔話がはじまるような、切ない感じがクセになる。なかなか、テンポもよくて、合間に打たれるトライアングルのような鐘の音も素敵だ。

温厚だった劉表が治めていた荊州には、戦乱の続いた中原などから人々が流れてきていて、とくに、学術系の人材が多かった。在野で出てくる馬良など、有能な文官を見つけたときは、うれしかった。

・・・学校から帰ってきて、夕日の差し込む部屋で聞いたBGMを忘れることはない。

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2015年2月 2日 (月)

天地を喰らう

このすごいタイトル「天地を喰らう」は、号泣する画を描かせたら並ぶものなし?と言われる本宮ひろ志さんが、三国志の世界に挑んだ名作だ。

同じ中国の歴史もので、完成度の高かった「赤龍王」と比べると、突然、エンディングを迎えたりとかなり荒削りだったが、だからこそ、各シーンにダイナミックな迫力があった。
青い瞳と金髪の呂布には驚いたが、それ以上に衝撃的だったのは、董卓軍と連合軍が激突する汜水関で登場した関羽だ。豪傑・華雄に立ち向かうべく、関羽が出陣するのであるが、彼の巨体に馬が耐え切れずつぶれてしまうので、軍馬二頭にまたがって出陣する場面には、度肝を抜かれた。

ちなみに、同じタイトルでゲーム化もされたが、個人的には、ファミコンのRPG版(ボスキャラとの戦闘曲がカッコイイ)よりも、友達とゲーセンで遊んだ横スクロール型のアクション版の方が好きだった。初代の方は、乗馬したままのスタイルだったが、Ⅱの方では、張飛がジャーマン・スープレックスやブレーン・バスターしたりとアクションが増えていた。

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2014年5月17日 (土)

北方三国志6巻

多くの群雄が割拠する初期から、
勝ち残った三国がしのぎを削る後期へ。
その流れをつくった物語の中盤にあたる巻。
 
北方三国志の第6巻は、ちょっと地味ではあるが面白い。
 
 
曹操が中原から河北を統一して、
いよいよ時代は、赤壁の戦いへと動き始めるのだ。
 
そして、ついに諸葛亮が登場する。
個人的に共感できたのは、
諸葛亮が自分の才能を生かせず、
世に出られないことをすねた青年として描かれている点だった。
”自分は、このまま終わるのだろうか?”
なんかは、20代の若者が一度は持つ嘆きだろう。
 
もうひとつ、個人的に好きだったのは、
関羽が酔っぱらって愚痴をこぼすシーンだ。
 
騎馬隊を率いる張飛や趙雲に良い馬を回すので、
歩兵部隊の関羽の馬は、かなり劣っているのだった。
養子の関平に介抱されながら、二人で家に帰るところは、なんだか良かった。
(ちなみに、その後、関羽は赤兎馬の子である名馬に乗ることになる)

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2014年5月 6日 (火)

反三国志

ある日、新聞広告に載っていた書籍を見て衝撃を受けた。

それは、禁断の書(?)ともされてきた「反三国志」の日本語版で、”孔明の計略により、司馬懿爆殺される!”など驚くべき解説に多くの三国志ファンが興味を惹きつけられたはずだ。
「反三国志(演義)」は、中国人の作者・周大荒が古本屋で見つけた「三国旧志」を基に書かれたとされている。内容は、史実では勝利できなかった蜀が魏と呉を制圧して天下を統一する物語で、これでもかというくらいの蜀びいきな内容になっている。
そもそも、三国志演義以来、勝利者である曹操が’最大の悪役’として描かれたように、多くの人が劉備や諸葛亮に同情的な感情を持っていた。”もしも、あのとき”や”こうなったら”といった理想を表現した世界と言えるかもしれない。
敗者や弱者に味方する「判官贔屓(ほうがんびいき)」は、人間の優しさなのだろうか?

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2013年3月 5日 (火)

人形劇三国志

「ひょっこりひょうたん島」やドリフターズの「飛べ!孫悟空」など、人形劇の番組に名作は多かったが、もっとも印象深いのは、「人形劇三国志」だ。

今考えても、あの壮大なスケールの物語を人形劇で表現できたことは、すごいことだと思う。なんといっても、川本喜八郎さんの作る人物のイメージに近く、かつ、個性的な人形は、一級の芸術作品と言って過言ではない。

また、多くの俳優や芸人が声優として参加していて、一番印象に残っているのは、せんだみつおさんの張飛だろう。また、後から知った事実として、蜀の軍師・諸葛亮役の森本レオさんが、最強の武将・呂布も担当していたのには驚かされた。

その音楽もかなり印象的で、砂の中からタイトルが浮かび上がるオープニングと小池玉緒さんの歌うエンディング「三国志の歌」(騎馬兵たちが荒野を駆けるシルエットは幻想的だ!)などは、YMOの細野晴臣さんが手がけている。

僕らは、人形たちからも多くを学んだ。

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2012年3月26日 (月)

呂布奉先

中国三国時代、最強の武将でありながら、主君の暗殺や裏切りを繰り返して悪名をとどろかせた呂布(りょふ)。しかし、これは歴史をかなり脚色した「三国志演義」が有名になったためで、実際の歴史書では、また違った人物像で伝えられていた。

その辺から書き上げられたのが、北方謙三さんの「三国志」で、呂布はまっすぐな愛妻家の軍人として描かれている。この物語の中で、彼が生存していたのは初期の前半部分だけなのだが、その死後も様々な英雄たちの回想で思い出されていて、その勇士は赤兎馬と共に全編を通して登場する。北方さんへのインタビューで、部下であった武将・張遼の活躍から、呂布という人間が悪い人間ではなかったのではないかというところが良かった。

ちなみに、大きくて強い愛妻家で思い出したのが、シートン動物記の「オオカミ王ロボ」である。ロボは、体が大きく、知恵もまわり、人間たちから「悪魔」と恐れられていたが、率いている群れは最強で、仲間の面倒見もよかった。ロボの最後は、罠にかかった妻に殉じて、自分も餓死してしまったのである。

狼王ロボ

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