2021年7月15日 (木)

トオルの警棒(ビーバップ)

僕らが小学校から中学校に上がるくらいにヤンキー文化が花開いていた。ブームの火付け役はヤンキーマンガであり、その最高峰に「ビーバップハイスクール」を挙げたい。近所の床屋で全巻読みたいがため、客が込み合っている時間を選んで散髪屋に行ったものだ。

今回は、物語初期に登場していた武器の警棒を語りたい。

特殊警棒は、主人公のトオルが使用していた武器だったが、おそらく、主人公が武器を使うのがフェアな印象を与えなかったためか、中盤からは登場しなくなった。

当時、隣町の(特殊な?)模型店で売っていた警棒は、ずっしりと重い金属製だった。ポケットに入るくらいの長さの棒なのだが、使うときには二段か三段に伸びて長くなる。たしか、ガチャガチャの景品にもあったのだけど、その小さな棒は最初から長く伸びていて、押すと(バネで)縮むといった逆パターンのモデルであった。

ちなみに、手で引っ張って伸ばすのはかっこ悪くて、棒を下に振って勢いよくガチャリと伸ばすのがかっこよかった。

現在では、懐中電灯と一緒になった防災用が登場している。そう、警棒は武器として使うのではなく、その機能美を眺めるものなのさ。

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2021年1月27日 (水)

ノース2号のはなし(プルートゥ1巻)

手塚治虫さんの「鉄腕アトム」に登場するエピソード「地上最大のロボット」を基にして生まれた浦沢直樹さんの「PLUTO(プルートゥ)」は名作だった。原作(アトム)では、プルートウがロボット最強が誰なのかを証明するために、世界中の強いロボットと戦っていく話なんだけど、そこから壮大なミステリー巨編に展開されたのが「PLUTO」である。

なかでも、コミック第1巻「ノース2号」の巻は名作として名高い。

ノース2号は、世界最高峰の戦闘能力を持つロボット。だが、たくさんのロボットを破壊してきた過去に苦しみ、今では静かな余生を望んでいるのだった。そんな彼が執事として仕え始めたのが、盲目の天才音楽家の気難しい老人。老人はロボットを軽蔑していて、ピアノの練習をするノース2号に罵声を浴びせたりしていた。

しかし、心に負った傷を持つのは老人も同じで、憎しみにとらわれていた老人の過去が、実は母の愛情に満ちたものだったということをノース2号が証明して見せたことで、老人は心を開いたのであった。

二人で穏やかな日々を送っていたのだけれど、ある日、プルートゥが現れた。やがて、戦いに向かったノース2号は空中で破壊された。そのとき、音楽家の老人には、ノース2号のメロディが聞こえてきたのだった・・・。



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2020年9月20日 (日)

SFマンガ「サイバーブルー」

AI(人工知能)の進化とか、ICチップを体内に埋め込んでIDにするなんて、僕らの子供のころには遠い未来の話だった・・・。そんな現在、昔読んだ漫画を思い出した。

「CYBERブルー(サイバーブルー)」である。80年代の終わりに週刊少年ジャンプで短期掲載された。有名な「北斗の拳」ど真ん中だった僕らにとって、原哲夫さんの漫画を手に取るのは当然だった。

まず、近未来の違う星の世界で、主人公ブルーが死んでしまう始まりから、口の悪いオンボロのロボット(ファッツ)が自分の電子頭脳をブルーに移植するという話も少しショッキングだった。

かっこよかった登場人物として、賞金稼ぎのジョーキングも忘れてはなるまい。彼の星では”笑み”は別れを意味し、笑わない彼の最後にも目頭を熱くしたものだ。

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2019年2月 2日 (土)

「魔太郎がくる」もっとも恐かった話「ヤドカリ一家」

個人的な意見ではあるが、本屋での立ち読みに向いているのは、ちょっと暗いマンガがいいんじゃないかと思う。ものがたりに引き込まれて、不安な気持ちになったとき、本から目を離して、視線を上げると、明るい店内の人込みと怖い顔した店主が見えるのだ・・・。

 

暗いマンガで思い出すのが、藤子不二雄「魔太郎がくる!!」だ。
いじめられっ子の主人公の魔太郎が、最後に(ちょっぴり残酷な)復讐をするパターンで、彼がつぶやく「うらみはらさでおくべきか」は、妙に忘れられない。

 

 

さて、そのシリーズの中で、最も恐ろしく後味の悪い回が「不気味な侵略者」ではないだろうか?

 

彼の父親が、たまたま、知り合った男を家に招いたことから、だんだん男の家族が家に住み着いて、魔太郎の家を乗っ取ってしまうのである。家族全員が、くせ者だらけで、徐々に本性を現していく過程は、不快感がすごい。

 

結局、この回は、すっきりと終わらなかったんじゃなかったかと思う。

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2018年8月12日 (日)

「ゲームセンターあらし」の偽インベーダーキャップ

ファミコンブームが始まる少し前に、「ゲームセンターあらし」によって、子どもたちが’テレビゲーム’に夢中になる下地が作られていた気がする。

この漫画は、主人公のあらしが、アーケード・ゲームなんかで、ライバルたちと戦っていくストーリー。なんといっても、その必殺技が強烈で、逆立ちや空中に飛び上がってボタンを連打したり、びっくりしたのは、自分の出っ歯を武器にしたこともあった。

そう、「水魚のポーズ」も忘れてはなるまい!

さて、あらしのトレードマークだった”インベーダーキャップ”は、当時の子どもたちのあこがれの的だった。一応、連載された「コロコロコミック」の景品が本物とされており、赤い帽子の前方に金色のインベーダーが刺繍されていた。当時、その偽物が多く出回っていて、僕の持っていたものは、インベーダーが金の金具になっていた。

だが、いくら、ニセ・インベーダーキャップと言われようが、それをかぶっている間は、ゲームが上手くなったと信じていたのだ・・・。

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2018年7月31日 (火)

コミック「コロコロ」と「ボンボン」

僕らの小学生時代にあった「コロコロ」と「ボンボン」は、一般的な週刊マンガ誌より小型だったが、分厚くてサイコロのようだった。(ちなみに、「コロコロ」の由来らしい・・・)

コロコロコミックは、「ドラえもん」など藤子不二雄作品が有名だった。のび太たちが、このパロディマンガ雑誌を読んでいたのを覚えている。あとは、「おぼっちゃまくん」や「つるピカハゲ丸」など、ギャグ系もヒットしていた。

一方、コミックボンボンは、ロボットメカ系がメインで、プラモデル同士が戦う「プラモ狂四郎」なんかが人気だった。当時、’ガンプラ’ブームが始まって、子どもたちが、ガンダムのプラモを買うきっかけにもなった。

ちなみに、僕らの学校では、”コロコロは低学年向け”みたいな風潮があったのだが、なぜか、ときどき、バカバカしいコロコロのギャグが無性に見たくなったりした。

その後、ボンボンはなくなってしまったが、今でもコロコロは健在である。

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2018年3月31日 (土)

キン肉マン1巻「アメリカから来た男」

はじめのころのキン肉マンは、ギャグ路線だった。ドジでさえないヒーローのキン肉マンは、いつも怪獣退治に苦労していて、そのくせ、まったく悲壮感はなく、ユニークな仲間たちとドタバタ騒いで、気が付けば話が終わるというかんじだ。

その後の友情物語や激闘ロマンに移行するのは、おそらく、超人オリンピックあたりからだったと思う。けれど、単行本1巻で一瞬だけ、シリアス路線の片りんを見せたことがあるのだ。それが、テリーマン(額に米マークがついていた)が初めて登場した「アメリカから来た男」の回である。

・・・「街を破壊する怪獣を倒してほしい」と小さな子供が、自分で貯めた貯金箱をテリーマンに差し出した。しかし、当時のテリーマンは、強くて優秀ではあったが、ビジネスライクな冷徹な男だった。はした金を鼻で笑いながら、子供の貯金箱を蹴っ飛ばしたのである!それを見ていたキン肉マンは、テリーマンを殴り、割れた貯金箱を少年に返して、自分が怪獣に戦いを挑むのだった。

ひょうきんな三枚目が、ときどき見せるシリアスなシーンはしびれる。

それから、キン肉マンの住んでいる田園調布のオンボロ小屋や牛丼をほおばるシーンにも惹かれた。

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2018年3月28日 (水)

キャプテン翼

僕が中学校で入った部活は、サッカー部だった。どちらかといえば、文科系だった自分が、それまで縁もゆかりもなかったサッカーを選んだのは、やはり、「キャプテン翼」の影響が大きい。

多くのマンガがそうであったように、キャプテン翼にも、たくさん魅力的なキャラクターが登場した。当時、男子に人気が高かったのは、日向小次郎だ。侍のようにストイックなところが理由だろう。それから、女子に人気があったのは、岬太郎だった。画家のお父さんについて、転校を繰り返しているところなんかにグッと来たのではないか?

僕が印象に残っているのは、頼れるキーパー若林源三である。なにが思い出深いかというと、彼のトレードマークであるアディダスの帽子なのだ。

当時、「メーカー品」と呼ばれていたスポーツブランドが、僕らの学校で流行するきっかけだったと思う。ほかにも、プーマ、ナイキ、アシックスなんかが人気で、みんなロゴマークをノートに落書きしていたものだ。ちなみに、アディダスの三つ葉を正確に描くのは、けっこう難しいのだった。

・・・それから、あらゆるシュートにカタカナの名前がついていたことも忘れてはなるまい。僕の記憶の中で、一番の傑作は、友達が使った「ワンダー・シュート」である。

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2015年4月11日 (土)

どおくまん『暴力大将』

高校時代に通った近所の本屋のマンガコーナーで、「ドカベン」などでおなじみの秋田書店の棚に並んでいたのが「暴力大将」だった。そのインパクトのあるタイトルに思わず手にしたのだった。

作者のどおくまんは、「嗚呼!!花の応援団」に代表されるギャグマンガが有名で、「暴力大将」の初期もコメディ路線に見えたのだが、物語が進んでいくうちに、ロマンに満ちた歴史大作といったおもむきの感動巨編になった。

ケンカが強いだけの乱暴な少年だった主人公の力道剛が、波乱万丈な経験をしながら成長して、仲間たちと共に大事業を成していく。その風貌も、だんだん、高倉健のような男気あふれるシブさを増していくのが興味深い。

多くの個性豊かな登場人物のなかでも、一番、人気の高いキャラは、部下の黒木だろう。少年院で仲間になって以来、力道軍団のナンバー2として、いつも冷静沈着に力動をサポートしている。外見も「サイボーグ009」に出てくる004に似てクールだった。こういったキャラがいることで、物語全体に厚みが出てくるのだ。

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2015年3月29日 (日)

松本零士『キャプテン・ハーロック』

非常に個人的な話ではあるが、僕とハーロックとの出会いは、自分が幼稚園に通っていた頃だった。夏のプールのある日に、水着やタオルを入れるビニール製のバッグにハーロックが描かれていたのだ。

”宇宙海賊”と呼ばれているように、ダーク・ヒーローのイメージは、ハーロックによるところが多いだろう。それは、顔の傷であり、眼帯であり、マントであり、それから、ドクロの旗なんかである。

一見、ちょっと怖くて、近寄りがたい雰囲気の男ではあるが、友情や仲間を大切にすることでも知られている。彼らが絶対の信頼を持って乗る宇宙船アルカディア号は、亡くなった彼の親友が作ったもので、とても大事にしていることでも分かる。

また、物語の垣根を越えて、「銀河鉄道999」にハーロックとアルカディア号が登場したときは、感動でひっくり返りそうになったはずだ。

それから、もうひとつ。
自分の生き方にこだわりを持っている彼には名言も多いのであるが、自分がもっとも影響を受けた言葉は以下である。

”男にはな、何をやってもダメなときがある。そんなときは、黙ってただ寝ていればいい”

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