Xヴァニシング・ヴィジョン
日本のバンドブームの中でも、X(エックス)は強烈だった(その後、X-JAPANになったのは、同じ名前のバンドが海外にいたからだったか)。代表作の「X」や「紅」の収録された「ブルーブラッド(BLUE BLOOD)」でその存在を知り、僕らの中学では一部の熱狂的なファンがいた。
ある日、クラスでも成績優秀で真面目だった同級生が、校内で最も凶暴な不良たちに話しかけているのを見た。多くの生徒たちは、興味半分、心配半分で成り行きを見守っていたのだが、ヤンキーの一人が、彼に何かを手渡したのだった。あとで見せてもらうと、それはカセットテープで、ラベルに「Vanishing Vision」「X」とプリント(こすって貼り付けるシール)されていた。
それはXが制作した最初のアルバム(伝説となっていた!)で、もっとも印象に残ったのは「I'LL KILL YOU」(すごいタイトルである)激しい歌詞と速いテンポの流れの中に漂うシリアス感が好きだ。あと、すべて英語で歌われた「紅」の「KURENAI」もかっこよかった。
真面目な優等生と狂暴なヤンキーとの交流はそのときだけだったが、その後、優等生はプロのミュージシャンになって、テレビなんかでも活躍していた。バンド名は、あえて伏せておきたい。
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