どおくまん『暴力大将』
高校時代に通った近所の本屋のマンガコーナーで、「ドカベン」などでおなじみの秋田書店の棚に並んでいたのが「暴力大将」だった。そのインパクトのあるタイトルに思わず手にしたのだった。
作者のどおくまんは、「嗚呼!!花の応援団」に代表されるギャグマンガが有名で、「暴力大将」の初期もコメディ路線に見えたのだが、物語が進んでいくうちに、ロマンに満ちた歴史大作といったおもむきの感動巨編になった。
ケンカが強いだけの乱暴な少年だった主人公の力道剛が、波乱万丈な経験をしながら成長して、仲間たちと共に大事業を成していく。その風貌も、だんだん、高倉健のような男気あふれるシブさを増していくのが興味深い。
多くの個性豊かな登場人物のなかでも、一番、人気の高いキャラは、部下の黒木だろう。少年院で仲間になって以来、力道軍団のナンバー2として、いつも冷静沈着に力動をサポートしている。外見も「サイボーグ009」に出てくる004に似てクールだった。こういったキャラがいることで、物語全体に厚みが出てくるのだ。
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