金田一耕助シリーズ「あざみの如く棘あれば」
日本推理小説の名探偵と言えば、江戸川乱歩の’明智小五郎’と横溝正史’金田一耕助’だろう。都会的でスマートな印象の明智に比べ、金田一は野暮ったくて味がある。
さて、金田一耕助は多くの俳優たちに演じられてきたけれど、おそらく、もっとも印象に残っているのが、古谷一行ではないだろうか。とくに、あの少し古ぼけた映像のテレビシリーズには、郷愁を感じさせられるのだ。
子供の頃に見たテレビシリーズで覚えているのは、全体的に暗くて、ちょっと残酷な雰囲気くらいで、話の内容はほとんど覚えていないのだが、なぜか寂しい曲のエンディングだけは、しっかりと記憶に残っているのだ。
ちょうど、再放送が放映されていたのが夕方で、夕日に照らされた部屋の中に、茶木みやこさんの歌が流れていたのだ。個人的には、「まぼろしの人」よりも「あざみの如く棘あれば」が好きだった。とくに、”あなたの紅いくちびるは、いつから歌を忘れたか”という歌詞にグッとくるのだが、作詞が阿久悠さんだと知って納得したのを覚えている。
それから、エンディングの映像の中で、金田一耕助が地面に腰かけて、焼き芋を食べている風景があるのだが、あののどに詰まらせながら食べるシーンは最高である。
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