西岸良平「魔術師」
西岸良平の短編集で「地球最後の日」と並んで好きなのが、「魔術師」だった。
収録作品で印象的だったのが、「サバイバル」。
入試に向かっている受験生が、電車の中でお腹が痛くなって、途中の駅で降りるところからストーリーが始まる。通常使われるトイレが清掃中で、古いトイレに入ってなんとか落ち着いたのであるが、そこに閉じ込められてしまい、その後数年間、トイレの中で自給自足して生き延びるのである。トイレの下水が東京湾とつながっていて、着ていたセーターを解いて作った糸とクリップて作った釣り針で魚を釣り上げたシーンは感動的だった!
他にも、後半のSFシリーズは、「シリアス」なものから「ほのぼの」系まで充実していて、サラッと楽しめる。
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