呂布奉先
中国三国時代、最強の武将でありながら、主君の暗殺や裏切りを繰り返して悪名をとどろかせた呂布(りょふ)。しかし、これは歴史をかなり脚色した「三国志演義」が有名になったためで、実際の歴史書では、また違った人物像で伝えられていた。
その辺から書き上げられたのが、北方謙三さんの「三国志」で、呂布はまっすぐな愛妻家の軍人として描かれている。この物語の中で、彼が生存していたのは初期の前半部分だけなのだが、その死後も様々な英雄たちの回想で思い出されていて、その勇士は赤兎馬と共に全編を通して登場する。北方さんへのインタビューで、部下であった武将・張遼の活躍から、呂布という人間が悪い人間ではなかったのではないかというところが良かった。
ちなみに、大きくて強い愛妻家で思い出したのが、シートン動物記の「オオカミ王ロボ」である。ロボは、体が大きく、知恵もまわり、人間たちから「悪魔」と恐れられていたが、率いている群れは最強で、仲間の面倒見もよかった。ロボの最後は、罠にかかった妻に殉じて、自分も餓死してしまったのである。
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