開高健「ベトナム戦記」、「輝ける闇」
「釣り」と「食べ物」を語らせれば並ぶもの無しといわれる作家・開高健。今回紹介するのは、自身が1964年から1965年まで従軍記者として参加したベトナム戦争のルポルタージュ。【右】「輝ける闇」は、その体験を元にして書かれた小説。個人的には「闇」三部作の中で最高傑作だと思う。
イデオロギーなどにはとらわれずに、「戦争」とは、「戦場」とは何かをその鋭い感性で観察する。同じ味方であるはずの”ホテル暮らしのような”アメリカ兵と貧しいベトナム兵のギャップ。現地での生活、食事、自然などがきめ細かに語られて、また、激しい銃撃戦に巻き込まれて消息を絶ったときのことも詳しくかかれている。
「右の目は熱く、左の目は冷たく、心には氷の炎を持て。」鬼才・開高健
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