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2005年10月31日 (月)

開高健「ベトナム戦記」、「輝ける闇」

「釣り」と「食べ物」を語らせれば並ぶもの無しといわれる作家・開高健。今回紹介するのは、自身が1964年から1965年まで従軍記者として参加したベトナム戦争のルポルタージュ。【右】「輝ける闇」は、その体験を元にして書かれた小説。個人的には「闇」三部作の中で最高傑作だと思う。

イデオロギーなどにはとらわれずに、「戦争」とは、「戦場」とは何かをその鋭い感性で観察する。同じ味方であるはずの”ホテル暮らしのような”アメリカ兵と貧しいベトナム兵のギャップ。現地での生活、食事、自然などがきめ細かに語られて、また、激しい銃撃戦に巻き込まれて消息を絶ったときのことも詳しくかかれている。

「右の目は熱く、左の目は冷たく、心には氷の炎を持て。」鬼才・開高健

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2005年10月30日 (日)

メリーに首ったけ

原題は「There's Something about Mary」、ラブコメディである。出演はキャメロン・ディアス、ベン・スティラーほか

ストーリーは、だいたいお察しのとおりだ。随所に下ネタが織り込まれ北米の若者にも受けていた。ときどき登場する「おじゃまんが山田くん」に出てくる3匹のゴキブリみたいな人たちがギターで展開を歌うところとかおもしろい。

監督はファレリー兄弟。彼らの脚本は差別を笑いにするブラック・ユーモアで知られる(人によっては下品に感じるかも)。喜劇というものは、その辺が原点なのだろうか。でもこの作品は、そんな深いことは考えずに笑っていただきたい。

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2005年10月29日 (土)

【映画】学校シリーズ

学校

下町の夜間中学校が舞台。【キャスト】西田敏行/竹下景子/萩原聖人/中江有里/裕木奈江/渥美清/田中邦衛

学校2

高等養護学校が舞台。【キャスト】西田敏行/吉岡秀隆/中村富十郎/いしだあゆみ/永瀬正敏

学校3

職業訓練校が舞台。【キャスト】大竹しのぶ/黒田勇樹/田中邦衛/小林稔侍

個人的には、三作目が好きだ。女手一つで息子を育てる母親(:大竹しのぶ)が、不況で職を失い再就職のために職業訓練を受ける姿が美しい。そして母もまた女であったのだ。

人が何かを学ぼうとするときに、遅すぎるということは決してない。そして学ばなかった理由を自分のいる環境のせいにしてはいけないと思う。学校もブランド志向になってきている現在、もう一度、学問を教えるのは人間なのだということを思い出したい。「人間至るところに青山あり」

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2005年10月27日 (木)

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ関連

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ イブライム・フェレール オマーラ・ポルトゥオンド

「キューバ」、カリブ海にある国だ。

政治的には、カストロやチェ・ゲバラの社会主義革命が成し遂げられた国。一般的には、ハバナ・シガー(葉巻)、ラム酒、サルサ(ダンス)、ハリケーン、バレーボール、野球、柔道・・・。

そんな国に生きる伝説たちがいる。でも確実に本人たちは、そんな意識はないだろう。70歳、80歳の歌手たちが楽しく歌っているだけだ。そう、世界的に有名になった「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」である。主要メンバーは、イブライム・フェレール(1927年生まれ歌手、若い頃は靴磨きで生計を立てていたこともあるらしい)、ルベーン・ゴンザレス(1919年生まれ、きざなピアニスト。2003年に亡くなった。)、オマーラ・ポルトゥオンド(1930年生まれ、永遠の歌姫。)、オルランド”カチャイート”ロペス(1933年生まれ、ベース奏者の家系らしいベーシスト)、マヌエル”エル・グァヒーロ”ミラバル(1933年生まれ、父親譲りのトランペッター)など・・・。

1999年、僕はカナダから撤退するべきかどうかを考えていた。ちょうどそのとき、まだ日本でブームを巻き起こす前の彼らの曲がかかっていた。ちょっとほろ苦い思い出がある。

2000年、僕は東京国際フォーラムに来た彼らのコンサートに行った。オマーラが登場したときは、思わず叫んでしまった。

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2005年10月24日 (月)

【書籍】駄菓子屋関連

子どもたちを見守りつづける頼もしい存在。

塾の成績が悪かったり、ピアノが上手く弾けなかったりして、なかなか家に帰りづらいとき、その入り口は、やさしく僕らを招き入れてくれた。色彩豊かな世界。子供の居酒屋。

ただし、店の前の道で、消えていった模型ヒコーキやブーメラン、スーパーボールは数知れず・・・

思い出を語った過去の記事はこちらから

楽しい駄菓子屋関連記事はこちらから

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2005年10月22日 (土)

【洋書】The Iron Giant/Ted Hughes

子供映画でも有名になった作品。納屋に住み着いた鉄を食べる巨人のものがたり。原作は、20世紀イギリスの詩人 テッド・ヒューズ(1930-1998)。

テッド・ヒューズは、静かに力強い詩を書く。動物を視点にした作品は特にいいと思う。作品には、「The Hawk in the Rain」、「Crow」なんかがある。一人目の妻でもあった詩人 シルビア・プラスの自殺のあと自分の境遇を表現した詩で、たしかこんなのがあった

「たまごを抱えた父親ペンギンは、どうすればよいのだろう。」

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2005年10月21日 (金)

スタンド・バイ・ミー

「Stand by me」コレクターズ・エディション版は、
監督によるナレーション
大人になった子役達のインタビューつき

スタンド・バイ・ミー

大人になった主人公が回想する物語は多い。有名どころでは「タイタニック」なんかもそうだよね。そこには、死ぬほど苦しんだことさえ甘美な思い出となる・・・と思う。少年時代最後の冒険。僕らは隣町に行くときでさえ一大決心をしたはずだ。

原作は、モダンホラー小説家 スティーブン・キング。出演は、今ではすっかり有名になってしまったキーファー・サザーランドが町で恐れられている番長役で、また多くの映画ファンから惜しまれながら亡くなったリバー・フェニックスなど。僕は、この映画の舞台である町が好きだ。とくにアメリカの田舎にある雑貨屋なんか魅力的だ。あと番犬のいるスクラップ置き場なんかもいいよね。

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2005年10月19日 (水)

【小説】【映画】敦煌

敦煌

井上靖の原作。

舞台は中国、北宋の時代。科挙(国家試験みたいなもの)浪人の主人公。最果ての地にある新興国「西夏」と時代の動きに巻き込まれてゆく。壮大なドラマを静かに訥々と語っている。

激動の時代から、学問や芸術といった文化を、死に物狂いで守った人がいるからこそ、次の世代は、過去を知ることができるのであり、そうして現在を動かし未来をつくってゆく。

敦煌

こちらは、映画。出演は西田敏行、佐藤浩市などで監督は佐藤純彌

愛嬌と味のある演技でおなじみの西田敏行。しかし、この映画の中では厳格な将軍役を貫いている。個人的には、彼の出演作では最高だと思う。

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2005年10月17日 (月)

ミヒャエル・エンデ「モモ」

「ゆとり」って大切だよね。時間に追われて一生を終わりたくないよね。

さて、今回紹介する「モモ」。もじゃもじゃ頭の少女と時間泥棒たちとの対決を描いた作品。原作者は、ドイツ文学賞受賞者で本の挿入画も描いているミヒャエル・エンデ。彼の作品では、映画化された「ネバー・エンディング・ストーリー」も有名だ。(エンデは、映画の方にかなり不満があったことでも有名だね・・・)ちなみに彼の父親は、シュール・リアリズムの画家 エドガ-・エンデ。

モモ

主人公のモモは、聞き上手だ。様々な人間、動物、植物、そして”静寂の声”にさえ耳を傾ける。「ゆとり」の時間を奪われてしまった人々の生活はなんて味気ないものなのだろう。はたしてモモは、灰色の男たちから朝から晩まで仕事に終われる人々に「ゆとり」の時間を取り返すことができるだろうか?

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2005年10月16日 (日)

ウッド・ビィ・グッズ「モンド」

アメリカ英語を聞きなれている人には、イギリスの英語いわゆるクウィーンズ・イングリッシュは新鮮だ。

さて、今回紹介するアーティストwould-be-goodsは、イギリスのポップミュージシャンで最初は姉妹でやってたのじゃなかったかな。英語の発音のせいか異国的な、それでいて”なつかしさ”を感じさせる。ちょっと大人びた日本人の女性が好きな雰囲気じゃないかと思う。このアルバムの曲は全部いいけど、特に「Lisbon Beat」っていう曲がさわやかで好きだ。

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2005年10月13日 (木)

スヴャトスラフ・リヒテル関連

20世紀最大のピアニスト、リヒテル。

1994年、僕は三島市で彼のリサイタルに行くことができた。その存在感たるや圧倒的で、もはや”芸術”の領域をはるかに凌駕して”宇宙”という感じだった。僕には、彼の作品で何が最高かなんて語ることができそうにない。

有名なのは、彼がヤマハのピアノを愛用していて、その調律士も日本人ではなかったかな。

1997年、僕はトロントの地下鉄で拾った新聞の記事でこの巨匠の死を知った。

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2005年10月12日 (水)

J.F.ケネディ関連

若く、そして、輝ける可能性を持ったアメリカの象徴は、なぜ銃弾に倒れなければならなかったのか?一発の銃声によって世界の夢は終わってしまったのか?

どんな苦しい逆境も、持ち前の知性で乗り越えてみせ、その不屈の闘志をウィットとユーモアの下に秘めた男は、どんな世界を創ろうとしていたのか。

もはや手の届くことのない”もしも”を考えるのは良くないことだと思う。それでも敢えて僕は思うのである・・・

「もしも、この男がもう少しだけ長く生きていたなら、この世界はもっと生き甲斐に満ちあふれたものではなかったか?」

その後のアメリカ、そして、世界のために、ケネディ元アメリカ合衆国大統領の早すぎた死を心から悔やむのである。

聴く人の心を揺さぶるケネディ演説集。

世界が核戦争による滅亡に震えた13日間。

著者は弟のロバート・ケネディ。

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2005年10月 9日 (日)

スザンヌ・ヴェガ「孤独」「ベスト」

このアルバムは、たしか曲を使用した某メーカーのテレビCMで次々に関係者が呪われたなんて社会現象を引き起こしたやつではなかったか。でも、ちょっと寂しいけど、心に響く曲ばかりを集めた素敵な一枚だと思う。「LUKA」なんかは有名だね。

スザンヌ・ヴェガは、人の持つ暗い一面をさわやかに表現できるすばらしいアーティストだと思う。日本には、中島みゆきがいるように・・・。

気分が落ち込んでいるときにもっと暗くさびしい曲を聴くことは、気持ちを回復させる効果があるというよね。でも、昔のシャンソンで「暗い月曜日」を聴いて自殺する人が跡を絶たなかったっていうのも困るけど。でも誰もが人生の暗い部分から目を背け続けることは、たぶん不可能だと思う。ならば、できるだけ早い時期に、暗い部分を直視して共存できるようにしたいよね。

闇から目を背けてはいけないのだ。たぶん・・・

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2005年10月 8日 (土)

【邦画】【洋画】Shall We Dance?

いまさらながら「Shall We ダンス?」を紹介したい。なぜなら僕がトロントにいたときに普通の映画館で一般公開されていた日本映画だからだ。映画祭とかで紹介された日本映画ならばたくさんあるけど、その当時に一般公開されていたのは、他に北野武監督の「HANABI」くらいだった。

ハリウッドでリメイク(主演:リチャード・ギアで)もされた。日本版で役所広司が演じたサラリーマン役が、アメリカ版では、弁護士となっている。ありふれた「平凡」な代名詞として、そうなったのかな。だってアメリカの弁護士の数は犯罪者をうわまわるなんてジョークもあるからなあ。

さて、役所広司氏は独特の雰囲気をもつ役者で有名でもあるね。彼の作品で一番好きなのは、たしかNHKのドラマで樋口可南子さんと共演した「冬の魔術師」っていうのがあったはずだ。ちょっと芸術的な雰囲気でささやかな狂気ってかんじがした。

ほんじゃ、踊ろうかい?

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2005年10月 6日 (木)

ミルトン・ナシメント「クルービ・ダ・エスキーナ」

”ブラジルの声”とも呼ばれるブラジルの国民的歌手。その声をひとたび聴くと歌のメロディーとともに幻聴のごとくとどまると言われる伝説の歌手。ジャズ好きならハービー・ハンコックなどからたどり着くかもしれない。

さて、このアルバムの中では歌詞なしのインストゥルメンタルの”Clube Da Esquina No.2”と言う曲がある。この曲には歌詞があって、最高のものだと思うので、ちょっと長くなるけど紹介させて欲しい。

・・・

青年という名であった彼は

「人生街道」という名も持っていた

風まかせに旅から旅へ 

うしろをふり返ったことがあるかどうかもさだかではなく 

最初の一歩を踏み出して以来

鉄の歩みを止めたことはなかった

男たちという名の彼らは

「夢」という名も持っていた

夢は決して老いることがなく

催眠ガスにまかれながらも

静かに、静かに、そこにある・・・

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2005年10月 5日 (水)

江戸川乱歩「黄金仮面」ほか

乱歩の本と出会ったのは、小学校5年のときだった(土曜ワイド劇場でやっていたテレビシリーズはもっと前だったけど・・・)。「エドガワランポ」という響きは、僕らに独特な郷愁みたいなものを起こさせる。たとえば、夕日の中の図書館みたいな・・・。駄菓子好きだった僕が、駄菓子屋で人のやるゲームだけを眺めて貯金した目的は、もちろんこれだった!

頭が切れ、運動神経もよく、なによりもハンサムな名探偵・明智小五郎はいろいろな怪人と対決をする。そしてライバルは怪人・二十面相だ。奇想天外な、魔術のような独特の世界。中でも”少年探偵団”は、僕らの永遠のキーワードだ。

不気味に笑う金色のマスクをつけた大怪盗・黄金仮面が東京に現れた。迎え撃つのは、我らの明智先生。その仮面の正体は誰だったのか?

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2005年10月 3日 (月)

ヨコハマ・グラフィティ

横浜市歴史博物館へ

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【左】横浜税関・・・海からの玄関口。異国の風を感じる。

【中】ベローチェ神奈川県庁前店・・・広くて落ち着けるカフェ。

【右】ビリアード「ジャック」・・・建物2階にある。いつもジャズが流れている。

僕が帰国してから、4年間お世話になった横浜。上の3枚は、山下公園から日本大通りのエリアだ。今でもよく行く街で、今日も休日だったので行ってきた。ビリアード・ジャックには、僕が住んでいた頃に毎週通った。親しくはなかったがマスターの伝説のミスショットも目撃した。大桟橋入り口にある。

山下公園を元町方面に歩いて行き、丘を登ると有名な外人墓地なんかがあり、ちょっと落ち着いた雰囲気がある(高級住宅街さ)。写生なんかやっている人たちが多い。港が見える丘公園からは、ベイブリッジも見えるよ。

元町のトンネルの向こうに本牧があり、なかなか味のある町が広がる。ちなみに僕は根岸線山手駅のそばに住んでいた。山手商店街って長いんだよね。あと坂も多かったな。でもどの坂もがんばって登りきるといい景色が見れたもんだ。

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2005年10月 2日 (日)

チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記

タイトルにもあるチャルカというのは、東欧の文化や雑貨を紹介する店とのこと(大阪にあるらしい)。訪れたことがないので、イメージだけどあたたかい雰囲気に包まれてるのかな。

東欧というと、暗くて冷たいイメージがあるけど、音楽やダンスなんかのセンスはすばらしい。そして、人々も素朴であたたかい。そんな人の作った食器や小物なのだ。眺めるだけでちょっと幸せになるのではないかな。いつも手元においておきたい写真集(?)だ。

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【映画】【洋書】いまを生きる

厳格な全寮制の名門校。生徒たちは個性をなくし、社会のエリートとなるべく勉強や規律を詰め込まれている。そこに一人の救世主がやって来た。静かなるその教師は、”生きる”とは何かを生徒たちに投げかける。「死せる詩人の会」とは、なんだったのか?

個人的には、この作品のロビン・ウィリアムスが一番いいと思う。この俳優の笑顔は、見る人に哀愁を感じさせる。

右は、映画の原題でもある洋書。

ちなみにタイトルにもなっている「いまを生きろ」は、英語で「sieze the day(日々をつかめ)」となっている。

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2005年10月 1日 (土)

レナードの朝

精神病院の半昏睡患者を好演するロバート・デニーロ。地味だけど粘り強い医者を演じるロビン・ウィリアムス。

どんな状況でもあきらめないことや、「愛」の重要性など多くのことを教えてくれる作品である。ウィリアムス演じる医者が暗い部屋で、レンジでチンしたTVディナーを食べながら黙々と勉強する様や意識を取り戻したデニ-ロ演じる患者が扇風機の風を感じるシーンが好きだ。挿入歌であるゾンビーズの「二人のシーズン」もなかなかいい。

ちなみに、この「レナードの朝(邦題)」の原題は「AWAKENING」という。昔、僕はある関係者に日本語に訳したときのタイトルの著作権は翻訳者にもらえないかと尋ねたことがあったが、ダメとのことだった。(ま、当然かな)

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